人種差別を小さくする方法
空(現状の課題認識)
人種差別は終わることなく、何度も繰り返されます。これはアメリカ合衆国だけでなく、日本でも、ごく普通に、性別、年齢、学歴、出身で差別があります。日本の履歴書なんてアメリカなら人種差別そのものになります。というか日本は事実上、差別国家です。
そもそも、写真、年齢、性別、学歴、扶養家族、趣味など、なぜ必要なのでしょう。アメリカであれば暴動ものかもしれません。
過去、人間の世界では、この差別が原因で、どれほどの人が悲しみの人生をおくったことでしょう。アメリカでは、公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の誕生日の1月の第3月曜日は祝日とされていますが、いまだ完全な差別社会に見えます。
雨(課題の深堀り)
アメリカでは白人警官による黒人の差別事件で、全米中で外出禁止令が全米で広がるほど大変な事件になっています。白人と黒人との差別問題の日本人が想像するより根が深い。
では、なぜこの「差別」はなくならないんでしょう。
それは、仮説として、人間の脳の特徴だと私は思います。
ここで、私はふたつの仮説を立ててみました。
(A)脳には、動物として本来持っている性質がある。
(B)同時に、脳には学ばないと育たない性質がある。
まず、(A)からお話します。
人間という動物には、そもそも「差別」する心理がある。それは「人より優位に立ちたい」という「自己肯定感」の心理です。そして、もうひとつ、人間という動物には、人を見ると味方か敵かをわける「内集団」「外集団」という社会的心理があります。この性質は、動物として生き残るための本能かもしれません。
そして(B)です。
人間という動物は、脳の中で、言葉として認識して、体験を通じて感じ、行動して育っていく大脳辺縁系のなかのニューロンというものがあります。それが、脳には最初から備わっていない、もしくは未熟なので、学習によって成熟していく脳の機能があります。その最たるものが「人権」という意識、言い換えると、「命への尊厳」という意識だと考えています。
脳は、そもそも脳の機能に「命への尊厳(人権)」という概念を持っていないかもしれない。なぜなら、歴史を振り返れば、人類は、極論すれば、人権どころか、人を殺してきた歴史だからです。
こうした仮説を立ててみると、問題解決する方法が見えてきます。
傘(希望と解決方法)
そもそも、脳に、その要素や機能が小さければ、その機能をちゃんと育てればいい。言葉を使って、その概念を理解して、体験を通じて、脳のなかに多くの情報を取り入れて、何度も行動することで、その概念を成長させていくのです。つまり、教育の時間をかけてインストールすればいい。
私は、先ほど、ふたつの仮説を立てました。
- 脳には、動物として本来持っている性質がある。
- 同時に、脳には学ばないと育たない性質がある。
これを学ぶ学問とは「人間科学」です。小学校から高校までの間に、人間科学I、人間科学II、人間科学IIIという教科書にすべきだと思います。特に、もともと脳の中にない概念を学ぶこと、育てることは重要なことだと思うのです。
人権とか、人間科学と言うと難しく感じますが、
小学生段階は、「優しさを学ぶ」
中学生段階は、「命の尊さを学ぶ」
高校生段階は、「人権を学ぶ」
こういう成長プロセスを、言葉で学び、体験で学び、行動で学んでいけば、大脳辺縁系の未熟なニューロンも成熟するのです。そうすれば、人権問題や、いじめ問題、差別問題は解決できるかもしれない。謙虚に言えば、問題はどんどん小さくなっていくと思います。
どうして、私たちは人間なのに「人間科学」という学問を大事にしないんでしょう。私は、人間の総合力を高めるには不可欠の分野だと思います。人類は、遺伝子解析が数日で出来るほど進化しましたが、人の心は、どのくらい進化したのでしょう。
今のままでは、イジメも、誹謗中傷も、人種差別も、人権侵害もなくならない。本気でこうした問題を解決するには、もっと人間は人間に向き合う勉強が必要だと思います。
あくまでもここで述べたことは仮説ですが、考えるヒントになる気がしています。
どうか、この未来、世界から「差別」が小さくなり、いつの日か、根絶されることを、私は祈っています。
以上